硝酸は有害物質なのか?

硝酸と言う物質は有害物質なのでしょうか。

以前、赤ねぎの記事を書いた時に、外部機関の分析結果報告書の報告結果の数値について気になった事が有りました。それは、硝酸イオンの値です。

硝酸イオンの測定単位は(mg/kg)で、窒素代謝(同化)の指標とされており、測定下限値が10.0で、含量が低い程良い様な総評コメントでした。 

過去記事

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 硝酸はアンモニアが分解されて出来る物質で、野菜の生育には必要だとよく本やネットで見かけます。

一方、前回記事の分析結果では、値が低い方が良い様な記載がされています。一体どっちが正しいのか訳が分からないので、ネットで調べてみたら、農林水産省のHPに分かりやすく書いてあったので、備忘録として記事に残すこととしました。

目次

EUでは、規制物質

EUは、1997年1月にレタス及びほうれんそうに含まれる硝酸塩の基準値を定めました。この基準値は、2011年12月、下表のように改定されました。
EU加盟国は、モニタリング調査を行い、毎年6月30日までにEU委員会に報告することを新たに規定しています。 

食品 基準値   mg NO3/ kg
生鮮ほうれんそう 3500
加工済みほうれんそう
冷凍ほうれんそう
2000
その他のレタス
(サラダ菜、サニーレタス、コスレタス等)
10月~3月に収穫されるもの 施設栽培 5000
露地栽培 4000
4月~9月に収穫されるもの 施設栽培 4000
露地栽培 3000
結球レタス
(日本の「レタス」に該当)
施設栽培 2500
露地栽培 2000
ルッコラ 10月~3月に収穫されるもの

7000

4月~9月に収穫されるもの 6000
乳幼児向けベビーフード及びシリアル加工食品 200

(注)Commission regulation No 1258/2011(2011年12月2日)より

EUでは規制物質となっており、基準値を超えてはいけません。一方日本では、規制値は設けられていません。しかしながら、日本の野菜が基準値を大幅に逸脱している訳でも有りません。

土壌、肥料由来の窒素と作物体中の窒素の代謝について

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・土壌中にある窒素肥料や土壌有機物等由来のアンモニウムイオン(NH4+)は、一部の植物に吸収されるものの、野菜類では、土壌中の細菌により、酸化されて硝酸イオン(NO3-)になったものが主に吸収されます。
・作物に吸収されなかった硝酸イオンは、アンモニウムイオンに比べて土壌に吸着されにくく、そのため雨などが降ると、地下水等に流れ出すこともあります。また、条件によっては窒素N2となって大気中に放出されることもあります。
・植物は、吸収した硝酸イオンまたはアンモニウムイオンと、光合成により生成された炭水化物からアミノ酸やタンパク質を合成します。動物はこのタンパク質を食物として取り入れ、これを分解して尿素、尿酸の形で窒素を排出します。
・この排泄物や生物の死体は微生物によって分解され、アンモニアアンモニウムイオン)となり、そのまま植物に吸収されたり、再び細菌の働きで硝酸イオンとなって植物に吸収されます。
・このように、硝酸イオンは、土壌を含む自然界に広く分布しており、植物や微生物等には重要な窒素源となっています。

硝酸塩が植物中に貯まる理由

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・硝酸塩は、土壌を含む自然界に広く分布しています。植物は、窒素を硝酸塩やアンモニウム塩の形で根から吸収し、これと炭水化物からアミノ酸やタンパク質を合成します。

・吸収される硝酸塩などの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸塩などがアミノ酸、タンパク質に合成されないで、植物体中に貯まると言われています。

硝酸塩の健康への影響

・硝酸塩は、通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません。しかし、ヒトの体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、 メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるということが一部で指摘されています。
・しかし、生体内における硝酸塩から亜硝酸塩への転換のメカニズムは複雑です。食物に含まれる硝酸塩が転換されるばかりでなく、生体内の他の窒素含有化合物(アンモニア、ヒドロキシアミンなど)が酸化されて硝酸、亜硝酸塩が生成されることなどから、食物由来の硝酸塩のうちどのくらいの量が亜硝酸塩に転換するのかは、はっきりとしていません。
・また、硝酸塩の摂取と発がんについての研究も各国で実施されているところですが、 FAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないと言っています。

まとめ

植物の生育には窒素が必要な為、硝酸イオンは必須ということになります。但し、与え過ぎが問題となります。これは、化学肥料を使っても有機肥料を使っても同じです。

美味しくて安全な野菜を作るには、必要以上に肥料を与えない、しっかり光合成をさせる事が必要という事が解りました。

昔の人は、食べてみて苦味やエグ味なない事を体感し、硝酸含有量を調べていたとも聞きます。

現代では、硝酸値を測定する測定器も売っています。

肥料の与え過ぎには、くれぐれも注意したいと思いました。世の中に、無肥料栽培・自然農法なんて農法が有るのも頷けます。

今回は、いい調べが出来ました。

もっと詳しく知りたい人は、引用元として参考にさせて頂いた、下記農林水産省のHPを参照して下さい。

www.maff.go.jp